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【伊達公子】意欲的に、快適に、新生活をスタートさせるための心構え<SMASH>

伊達公子

2024.03.01

「考える=自立の始まりだと思います」と言う伊達公子さん。写真:THE DIGEST写真部

「考える=自立の始まりだと思います」と言う伊達公子さん。写真:THE DIGEST写真部

 4月から新生活が始まる人もいると思いますが、準備は整っていますか? 私にとってはテニス選手のプロ1年目が新生活のスタートでした。改めて振り返ると、目標を明確に持っていることが大事だと感じます。

 私の場合は「1年以内に100位に入る」という目標が掲げられていました。そのために最初に取り組んだのが、1週間戦える体力を付けるために体重を増やすこと。当時47キロぐらいしかなかったので、まずは50キロを超えることを目指しました。

 時間が過ぎるのは速いので、期限を決めた目標を持っておくことが、特にスタート時点で必要でしょう。目標が明確だと、やるべきことが見えてきます。

 当時、「グラフとナブラチロワを足して2で割ったプレーヤーになりたい」とよく言っていました。グラフのように力強い、且つフットワークと予測の良いプレーでベースラインから攻めて、ナブラチロワのようにネットで決めるというイメージです。

 イメージすることで、自分の強みが何かを考え、何で世界と勝負していくのかが見えてきました。それに伴い、トレーニング方法も変わってくるので、ゴール地点の自分の姿をイメージしておくことも助けになります。
 
 社会に出た場合は、上司との相性や会社内でのコミュニケーションなど、自分だけで完結するのではなく、人との交流が必須になってくるでしょう。目標にできる上司や信頼できる人が見つけられるといいですね。

 私の場合は当時のコーチである小浦(猛志)さんと絶対的な信頼関係がありました。小浦さんが、身体作りのためにトレーナーを連れてきてくれたり、プロとして歩むレールを敷いてくれました。

 ちなみに、そのトレーナーは現在『スマッシュ』でコラムを書いている椙棟(紀男)さんで、すごくきついトレーニングに必死で食らいついていたことを今でもよく覚えています。でも、実際に筋力も付いて50キロを超えましたし、結果がしっかりと出ており、正しい方向に進むことができました。プロ転向時点で、頼れる人がいてくれたことは本当に恵まれていました。

 自分と同じ方向を向いている信頼できる人が側にいることは、新生活を順調に進めるためにも重要な要素でしょう。ただし、難しいのが側にいてくれる人の見極めではないでしょうか。自分の目標を達成するために、どんな人が必要なのか考えることです。

 考える=自立の始まりだと思います。情報を得て、考えて、決断する。これの繰り返しです。特に新社会人は自立するタイミングなので、受け身ではなく自分で考えて決断する思考に変えていくと良いでしょう。

文●伊達公子
撮影協力/株式会社SIXINCH.ジャパン

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