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【伊達公子】高校を選ぶ時に大事なこと。卒業後のプロか大学かは成熟度が目安<SMASH>

伊達公子

2024.02.16

「自分で決めた環境でやれることをやり切ること」が大事だと言う伊達公子さん。写真:THE DIGEST写真部

「自分で決めた環境でやれることをやり切ること」が大事だと言う伊達公子さん。写真:THE DIGEST写真部

 将来プロになることを視野に入れて、高校の進路でテニスの強豪校を選ぶ時には、何に気を付けるといいでしょうか。指導者との相性は重要ですし、選手の傾向や、どれぐらい強い選手がいて、自分はレギュラーになれるのか、学校側からどれぐらいの期待をされている位置なのかなど、できる限り情報収集をしておくことです。

 私が園田学園高等学校に入る時は、レギュラーになれる保証はありませんでした。わかっていたので問題ありませんでしたが、それを知らずに戦う場所がないのが誤算だと思うようではうまくいきません。

 中学生であっても、指導者とはできるだけコミュニケーションを取って、話しやすいのか、自分のことを考えてくれそうなのかなどを把握することは大事でしょう。どういうテニス選手になりたいかを、事前に話しておくだけでも違うと思います。少しでも自分にとって良い環境でテニスができるように整えていくことです。

 ただし、強豪校に入ったのだから強くしてくれるだろうという考えは間違いです。強くなるのは自分です。結果が出ないことを環境や他人のせいにしている限り、強くはなれません。大事なことは自分で決めた環境でやれることをやり切ること。それができないようでは、何を選んでも大成しないでしょう。

 今まで中学卒業時点の進路について書きましたが、次は高校卒業後の進路について。この段階では、プロ、日本の大学、アメリカの大学が選択肢に挙がります。繰り返しますが世界の流れとして、年齢が上がるほどプロで活躍できる可能性は低くなっていきます。しかし、高校卒業の段階でプロに進む決断ができない場合もあるでしょう。
 
 肉体的、精神的、技術的な成長の成熟期がいつくるかは、人によって違いがあります。15歳で成熟を迎える場合もあれば、18歳の場合もあり様々です。例えば、浅越(しのぶ)さんは、大学を途中で辞めてプロになりましたが、それまではコーチの小浦(猛志)さんのOKが出なかったんです。小浦さんはその辺の見極めが的確だったと思います。今は時代が違うので同じようにはいきませんが、コーチや親は成熟度を見て子どもにアドバイスしてあげるといいでしょう。

 アメリカと日本の大学で比較すると、アメリカの方が大会が多いですし、高いレベルでもまれることができるので、プロになれる可能性は高くなると思います。日本の大学も練習環境は整っているので、自分の意識を高く持って取り組めば、可能性はゼロではありません。

 日本にいると、高校の次は大学と考えがちですが、世界のテニス選手たちはテニスキャリアが終わってから大学に行く人が結構います。大学は後からでも行けますが、テニスキャリアは年齢が上がってからでは難しいので、そういう選択があることも知っておくとよいでしょう。

文●伊達公子
撮影協力/株式会社SIXINCH.ジャパン

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