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海外テニス

一時は自殺も考えた…元トップ選手のソダーリングが精神疾患を患っていたことを公表。メンタルケアの重要性を説く

スマッシュ編集部

2020.07.09

ソダーリングは2009年の全仏オープンで、クレーの絶対王者だったナダルを破ったことで一躍脚光を浴びた。(C)GettyImages

ソダーリングは2009年の全仏オープンで、クレーの絶対王者だったナダルを破ったことで一躍脚光を浴びた。(C)GettyImages

 スウェーデンの元世界4位・ロビン・ソダーリングは、2009、2010年と2年連続で全仏オープン決勝に進出し、キャリア通算で10度のツアー優勝を果たした元トップ選手だ。最後の出場大会となった2011年バスタッドでの優勝以降は、病のためツアーを離れ、ついぞ復帰は叶わず2015年12月に現役を引退した。

 そんなソダーリングが、2011年以降9年間に渡り、不安やパニック障害といった精神疾患と戦ってきたことをスウェーデンのラジオ番組『Summer in P1』に明かした。さらに、自身の経験をもとに、世のアスリートがもっとメンタルヘルスに焦点を当てるべきだと呼びかけている。

 これまで、伝染性単核症に悩まされての決断とされていた引退だが、彼を悩ませていたのはそれだけではなかった。「完璧を追い求めるあまり、そのプレッシャーで自分を殺してしまいそうになっていた」と話すソダーリングは、テニスコートに入ろうとする度にパニック発作を起こし、一時はインターネットで自殺の方法を探すまでに追い詰められていたという。

「プロアスリートのほとんどは完璧主義者で、スポーツに人生を捧げている。それはメンタルに信じられないほどの負担を与えるんだ。やりがいはあるかもしれないが、一線を越えてしまうと、自分の身体が発する悲鳴に耳を傾けず、充電や回復のために時間を与えないと、キャリアを台無しにしてしまうこともある」
 
 それにもかかわらず、スポーツ界ではまだまだメンタルトレーニングへの理解が薄く、それを学ぶためのツールも少ない。「データによれば、エリート選手の3人に1人がストレス、摂食障害、燃え尽き症候群、うつ病などの精神的な問題に苦しんでいる」と語るソダーリングは、次世代を担う若きアスリートたちのために、メンタルケアについての議論を進めるべきだと主張する。

「次の世代の選手が私と同じ経験をしないよう教育する必要がある。“メンタルの問題=弱さ”などというイメージを払拭しなければならない。今後もし、こういった呼びかけでどこかの誰かを救うことができたならば、それが私の幸せです」

 このラジオ番組でのメッセージは、ソダーリングの公式インスタグラム(@rsoderling)でも文章(英文)として公開されている。スポーツ選手への理解を深める意味でも、チェックして損はないはずだ。

構成●スマッシュ編集部

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