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海外テニス

「別の山を登る準備ができました」シャラポワが引退表明。キャリアは常に右肩の痛みとの戦いだった…

スマッシュ編集部

2020.02.27

「ロシアの妖精」と呼ばれ、美貌と実力を兼ね備えた女子アスリートとして一世を風靡したシャラポワが現役引退を表明した。(C)Getty Image

「ロシアの妖精」と呼ばれ、美貌と実力を兼ね備えた女子アスリートとして一世を風靡したシャラポワが現役引退を表明した。(C)Getty Image

 2月26日、女子テニス界にて一時代を築いたロシアの妖精マリア・シャラポワが引退を表明した。

 雑誌『Vogue』および『Vanity Fair』にて「テニス――私はさようならを言います」と掲載され、そのニュースは瞬く間に広がった。

「今振り返ると、私の山はテニスだったと実感しています。私の道は谷と回り道でいっぱいでしたが、その山頂からの眺めは信じられないほどでした。28年と5つのグランドスラムタイトル獲得を経て、私は別の山を登る準備ができました。別の分野で競う準備ができています」と綴られている。

 現在32歳、4月で33歳になるシャラポワは、2004年セレナ・ウィリアムズを決勝で下し、17歳でウインブルドン優勝。その美貌と気持ちの強さを前面に押し出したプレーで一気にスターダムに駆け上がり、世界中で人気の女子アスリートとなる。05年にはロシア人女子として初の世界ランキング1位に輝いた。
 
 06年には全米オープン、08年に全豪オープンを制するも、常に彼女のキャリアは右肩の痛みとの戦いでもあった。08年にはメスを入れ、約10か月戦列から離れる。しかし不屈の精神でツアーに戻り、苦手と言われた全仏オープンではフットワークを磨き上げ、12年に初制覇。キャリアグランドスラムを達成すると、14年には再び同大会で優勝を挙げる。
   
 世界中のアイドルであったシャラポワのキャリアに影がさしたのは、16年、その年から禁止薬物に指定された「メルドニウム」の陽性反応でドーピング違反となったことだ。15ヵ月の出場停止処分を終え、コートに戻ってきたシャラポワだが、主催者が出場の推薦枠を出すと、他の選手から不満の声があがり、逆風にさらされた。
 
 200位台まで落としたランキングを2年で20位台まで戻し実力は健在だったが、昨年は再び肩を手術するなど成績が低迷する。12月にはツアー復帰に向け意欲を見せていたものの、今年はブリスベン国際、そして全豪オープンの2大会に出場し、1回戦で敗退。ランキングは373位まで下落していた。

構成●スマッシュ編集部

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