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海外テニス

テニス界の「貴公子」エドバーグ。端正なマスクと流れるようなサーブ&ボレーに世界が酔いしれた【レジェンドFILE11】

スマッシュ編集部

2020.02.21

容姿だけでなくプレーも美しかった「貴公子」エドバーグ。写真:スマッシュ写真部

容姿だけでなくプレーも美しかった「貴公子」エドバーグ。写真:スマッシュ写真部

 現在は選手のグラウンドストローク力が上がり、お互いにベースラインで打ち合うラリー戦が中心だが、1980年代後半から90年代にかけて、サーブ&ボレーヤー全盛の時代があった。

 その時代の先頭を走っていたのがステファン・エドバーグとボリス・ベッカー。ウインブルドンでは85~90年の6年間のうち、5度にわたり2人のどちらかが優勝を飾っている。同時にエドバーグのスウェーデンとベッカーのドイツの両国が、世界一の覇を競い合ってもいた。

 とりわけ世界中のテニスファンを虜にしたのはエドバーグのプレーだろう。彼はサービスとボレーを単体で武器としたのではなく、両者をセットにしてプレーを構成した。滞空時間の長いスピンサービスでより前に詰め、ボレーで仕留める。それは流れるような美しさだった。
 
 もちろんボレーの技術も超一流。この分解写真はリターンが低く食い込んできた状況だが、低い体勢でボールに入った後、軽くジャンプしながら身体を逃がし、コースをクロスに切り替えている。類まれなセンスを感じさせるバックボレーだ。

 ただし、リターンの能力が格段に進歩した現代テニスでは、残念ながらもうエドバーグのようなサーブ&ボレーは見られなくなった。常にスピン系のサービスでネットに出て行けば、パッシングの餌食になってしまう。それ故に今、彼のプレーを写真や映像で目にすると、その優雅さが余計に際立つのだろう。

【プロフィール】ステファン・エドバーグ/Stefan Edberg(SWE)
1966年生まれ。ATPランキング最高位1位(90年8月)。グランドスラム通算6勝(AUS:85・87年、WIM:88・90年、US:91・92年)。ストローカーの多いスウェーデンにおいては異例のサーブ&ボレーを武器に世界の頂点に君臨。端整なマスクから日本では「貴公子」と呼ばれ、高い人気を集めた。フェアプレーぶりでも有名で、5回にわたりATPの年間スポーツマンシップ賞を受賞。96年には同賞が“Stefan Edberg Sportsmanship Award”と名付けられた。2014、15年にはフェデラーのコーチを務めた。

編集協力●井山夏生 構成●スマッシュ編集部

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